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西南戦争使用銃弾
西本景哉
1877(明治10)年に西南戦争という,明治政府の政策に対する士族の不満が高まり,西郷隆盛が中心となって起こった武力反乱があった。この戦争で,西郷隆盛が率いた西郷軍は,旧式の前装式の銃,エンフィールド銃を使っていたのに対し,新政府軍は,最新の後装式である,スナイドル銃というものを使っていた。これは,西郷軍が使っていたエンフィールド銃の銃弾である。
エンフィールド銃は,イギリスのエンフィールド造兵廠で開発されたパーカッションロック式の前装式小銃である。弾丸は,プラグを使って拡張するエンフィールド弾で,発射時にガス圧を利用して弾丸が膨張し,ライフルの銃身にしっかりとフィットするように設計されている。弾丸と火薬が一体化した紙製薬莢を使用することで,従来の銃に比べて射程距離が大幅に向上した。この銃弾は,主に薩摩藩の鹿児島属廠で製造されていた。薩摩藩は,オランダ商社を通じてイギリス製のパトロン製造機械を輸入していた。原料は,国内産鉛を使用していることがわかっていた。鉛の産地の特定により,当時新政府軍が英国産の鉛を使っていたことも分かっている。その弾丸はドングリ形で線が刻まれていた。これは従来の丸い球形よりも飛距離や命中精度に優れていた。


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