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掛図 徳川家康画像
澁谷皆利
本資料は戦国時代に終止符を打ち,江戸幕府を開いた徳川家康の掛図である。掛図とは,標本・数式等を図や絵に著し掛軸状に表装したもので,教室の壁面や黒板に掛けて使われた視覚教材である。現代では写真や印刷の技術の発達により地図などを除き使われなくなっており,教科書に写真を縮小して貼り付けられている。
「歴史科教授用参考掛図」は東京帝国大学文科大学史料編纂掛(現東京大学史料編纂所)により,中小学校あるいは家庭での歴史教育に対し正確な肖像画・歴史絵画を提供する目的で,「大日本史料」編纂過程で収集された史料の中から選ばれ,編集・発行されたものである。その目的のため,収録した肖像画・歴史絵画の題材は,通俗的に人々が広く興味をもつものが選択されている。1907(明治40)年から1920(大正9)年にかけて,全12編144枚と各画像の解説を記した「歴史科教授用参考掛図解説」が刊行された。1シリーズ12枚組で,ある出来事の場面を描いた歴史画や肖像画で,描かれた人物は110名におよぶ。明治時代の忠君愛国という教えにより天皇の存在を強調するため各シリーズとも冒頭に1~2枚の天皇像を配し,旧制学習院でも使われていた。このシリーズで描かれている人物は他にも後醍醐天皇や足利義満,豊臣秀吉など,将軍や武将,公家,賢婦人,僧侶,学者,画家などで構成されている。

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