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中国銭貨
武村龍弥
漢から清代までの63枚の銭貨のレプリカで,それぞれに使われた時代,王朝,皇帝の名前が横に記されている。銭貨に刻まれている文字は上から時計回りに読み,隋までの銭貨には共通して古代中国の甲骨文字に近い字体で「銖(しゅ)」と刻まれており,これは当時の質量単位で銭貨の重量が五銖と定められていたことに由来する。唐以降のものには「通宝」という文字が漢字で刻まれており,これは当時の貨幣の名称である。
レプリカのうち北宋の銭貨が最も多く19枚あり,日本で出土している銭貨も北宋の銭貨が最も多い。これは中世日本において銭貨が国内で発行されておらず,中国王朝の中でも最も銭貨を鋳造していた北宋から日宋貿易にて大量の銭貨を輸入したためである。後の明王朝の明銭の鋳造枚数が少なかったこともあり,江戸時代初期まで明銭と合わせて広く使われていた。
中国銭貨は中国史を学ぶ上で,時代や王朝との結びつきが強く実物史料としてとても価値があるだけでなく,中世の宋銭をはじめとして日本でも多く流通していたことから,日本史の観点からみても貴重な史料であるといえる。
そのため本資料は,旧制学習院の歴史の授業で実物資料として活用されていたものである。

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