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鮭皮靴
田中俊輔
鮭皮靴は,アイヌの人々が冬場の狩猟の際に履いていた靴である。靴の中には,ケムロンと呼ばれる乾燥した草が敷き詰められ,履き心地よいものであった。軽量で雪や水を弾きやすく,乾きにくい上に濡れても固くなりにくい特質がある。また雪の中でも足が濡れにくく,身軽さや通気性という点で草履と比べて良く,加工しやすく丈夫である。そのため,狩りでは当時一般に使われていた草履よりも鮭皮靴が用いられていた。自家用として使用されたものだが,江戸時代には交換品や珍しい工芸品として商品化されていたこともある。
なお,本資料は愛知県立明倫中学校附属博物館に旧蔵されていた資料で,博物館が廃館となった際,他の標本資料とともに学習院に寄贈されたものである。

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